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ゲームライフ・ゲーム

亜麻矢幹のエンタメコンテンツ

人世一夜の日登美荘
第5話
Lead or Die [幕間]


 日之本の部屋。
 午後11時。
 日之本がシュラフに入って寝転がっている。
 アイベリーがクールフォンから身体を出している。

「ねーねー、アンタ、本を買うなら、紙と電子書籍、どっちにする?」
「やっぱり紙の方かな。今までの慣れがあるから」
「なるほどね。電子書籍だったらアイが全部管理してあげられるんだけど……実際、一概に一緒にはできないからね。保管と用途と解像度……みんな保管と用途については、場所を取らない、いつでも見られるって、一生懸命、メリットを主張するけど、解像度の低さっていうデメリットについては誰も問題にしてないものね」
「解像度って低いのか」
「もちろんだよ。液晶画面と人間のアンタが肉眼で認識できる範囲と細かさ、どちらの方が解像度が高いと思う?」
「なるほど、比べるまでもないか」
「そう、有機体とデータの親和性を無視しちゃだめなのね。まあ、アンタは……もっと簡単な理由があるんだろうね」
「……何が言いたいんだ」
「……うん、ああいう本は……ほら、やっぱりアイが管理しちゃうと困るでしょ?」
「だから違うんだっていうのに!」



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