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ゲームライフ・ゲーム

亜麻矢幹のエンタメコンテンツ

人世一夜の日登美荘
第4話
分別ふんべつなき分別ぶんべつ [幕間]


 日之本の部屋。
 午後11時。
 日之本がシュラフに入って寝転がっている。
 アイベリーがクールフォンから身体を出している。

「びっくりしたよねぇ。いきなり身体がふわっと浮いたかと思って、何かと思って飛び出したらゴミ袋の中なんだもん。まあ、汚物がはみ出てなくてよかったよね。アイのボディーがドロドロのブニュブニュまみれになっちゃったらたまったもんじゃねーし」
「……なぜ俺は投げ飛ばされたんだ?」
「ん、園川綾乃? そりゃ、決まってるじゃない。他人にプライバシーを覗き見されるなんて恥ずかしいじゃないのよぉ。アイもプライバシーを守るために苦労してるんだから」
「おまえの方が俺のプライバシーを見事に侵害しているだろって話だが」
「それにしても、ゴミに埋もれることのできる生活って恵まれてるよね」
「何でだ」
「貧乏人はゴミをたくさん出す機会がないってことよ。ゴミを出すのはお金持ち。アンタだってゴミをたくさん出せるような経済状態じゃないでしょ」
「……まあ、そうだな」
「でも、中には人が手放したものをわんさか拾って溜め込む貧乏人もいるんだけどね。物欲まみれのもったいない症候群シンドローム。ま、実は経済的な貧富は関係ないんだけどね」
「身も蓋もないな」
「あと、賢い人間はゴミを出さないようにするけど、凡人は本能の赴くまま行動して、結局ゴミをたくさん出す」
「うーむ……身も蓋もないな」
「ふと世の中を見渡すと、これでもかってくらいゴミだらけ。ネットの海を見まくってるとねー、有用な情報より不要な情報の方が多いもの。『あいつは社会のゴミだ』なんて言われてしまう人たちもいる。アンタはそういう自覚ある?」
「あるか! ……いや、奥が深くてすごく答えづらい問題だが、そういう自覚はしたくないな。結局、何が言いたいんだ」
「つまりね、アンタの最初の問いの答え……あまり詮索しすぎるのもよくないってことだよ」
「ふむ?」



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